保育園では毎日のように絵本の読み聞かせが行われています。保育士は各年齢に合った絵本を探し、読み聞かせをしていますが、その年齢の発達を理解した上で絵本を選ぶという事は、その年齢特有の課題などの克服に活用する事が出来ます。
3歳児という年齢は、保育園や幼稚園で言うと「年少クラス」です。この年少クラスは今までの複数担任から、一気に「一人担任」に変わる時期でもあり、子ども達一人ひとりが「自分の事を自分で行う」時期でもあります。そんな時期の子ども達に主任として客観的な視点から、オススメな絵本を紹介します。
3歳時にオススメな絵本、ベスト5!
第5位「コッコさんのともだち」著者:片山健
子どもによっては、3歳児から初めて幼稚園に通う子もいるでしょう。今までの家庭で過ごしていた子が、幼稚園という集団に入るとなると、いくら子どもと言えど悩み事の一つや二つは出てきます。そんな子ども心を描いた作品です。
子どもというのは、一見単純そうに見えても、時には繊細にもなります。幼稚園で一人ぼっちで寂しそうな主人公「コッコ」の姿から、子どもと大人の緊張をほどいてくれる一冊。
第4位「おべんとう」著者:小西英子
保育園や幼稚園には月に1回、園によっては週に1回など、「弁当会」があります。この弁当作りというのはお母さんを悩ませています。「どれくらいの量を食べるのかな?」「残さず食べるかな?」「好きな物だけ入れて良いのかな?」悩めば悩む程、弁当作りがしんどくなってきます。
この絵本は、そんなお母さんに「弁当作りの楽しさを思い出させる」内容になっています。弁当が出来上がっていくまでの過程を、子どもと一緒に見るのも楽しめますし、作中で出来上がった弁当が何ともシンプルな弁当で、「こんな感じの弁当で良いんだ」と思わせ、お母さんの肩の荷をスッと降ろしてくれます。
第3位「しょうぼうじどうしゃじぷた」著者:渡辺茂雄
とある町の消防署には、はしご車ののっぽくん、高圧ポンプ車のぽんぷくん、救急車のいちもくさん、みんなから人気を集める車の中に、古いジープを改良したちびっこ消防車の「じぷたくん」がいます。
働き者のじぷたですが、誰からも気にかけてもらえず、時には意地悪を言われる事もあり、じぷたは悲しい気持ちになります。ある時、山で火事が起こりじぷたは大活躍します。その活躍ぶりを見たみんなはじぷたの見方を変える、という内容です。
「小さくても勇敢」「誰にでもない役割がある」というメッセージ性の強い絵本でありながら、シンプルな内容で、3歳児にも分かりやすい話です。勇気が湧くだけでなく、消防署に本物の「じぷた」がいた時には、絵本の世界と現実の世界がリンクした時の感動も、この年齢だからこそ味わえる物です。
第2位「ペネロペひとりでふくをきる」著者:アン・グットマン
うっかり者でおなじみの「ペネロペ」は、一人で着替えて幼稚園に行こうときめます。ベッドから起きて着替えを始めるペネロペ。「みて、ズボンをはくのは得意なの。みて、もうはけちゃった」と言いつつも、「でもね、パンツがちょっぴり見えてるの」と言い、子ども達の笑いを誘います。
3歳児という年齢は、自分で着替えができる年齢ですが、着替えるタイミングというのは、食事後、午睡後で「眠気に襲われている時間」です。いくら自分で着替えが出来ると言っても、まだ3歳時!眠気には勝てず、出来ない日だってあります。そんな時にはペネロペの絵本を活用すれば、気持ちの切り替えにもなります。
第1位「わたしようちえんにいくの」著者:ローレンス・アンホールト
初めて幼稚園に通う3歳児、年少クラスに進級して不安な気持ちが残る3歳児の気持ちを解消してくれる絵本です。
主人公「アンナ」は一人で靴が履けなかったらどうしよう、妹と一緒に幼稚園に行こう、というように、初めての幼稚園に不安を抱き、「わたし、おうちにいる!」とまで、言い出します。しかし、実際に幼稚園に行ってみると、おもちゃ、砂場、おやつの時間など、楽しいことがたくさんでした。
この絵本は「幼稚園はこういった所」と紹介する絵本で、初めての幼稚園に入園する子どもも、その親にとっても「安心感」を与える一冊です。
▼3歳児との接し方のポイント!
まとめ
3歳児にオススメな絵本として、主に生活面や情緒面に訴えかける本を選びました。初めての幼稚園に通う年齢、何でも一人でやっていく年齢でありながらも、まだまだ幼さの残る3歳児には、言葉掛けや寄り添いの道具の一つとして「絵本」の活用はとても効果があります。
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