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我が子が発達障害!?なかなか受け入れられない理由とは

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我が子が生まれた瞬間、これまでの自分中心の人生から、我が子を守るという人生が始まります。

愛情を注いで育ててきた子どもが何かしらの「障害」を抱えていたとしたら。それを告げられた時に素直に受け入れられる親というのは、なかなかいません。

今回はそんな親の心情や、我が子の障害を受け入れた後の対応などを紹介します。

なぜ我が子の発達障害を受け入れられないのか

この記事を見ている人は「そりゃそうだろ!」と心の中で思うでしょう。全くその通りです。自分の子どもに障害があるなんて思うわけありませんし、親としては思いたくもありません。この気持ちというのは「普通の感情」なので、実際にその立場にいる人は、自分を責めないで下さい。

大事なのは「受け入れたくない気持ち」から、「受け入れる」という気持ちに切り替えられれば良いのです。

我が子の発達障害は誰に告げられるのか

ほとんどの場合は、保育園の担任の保育士や、検診時などに告げられる事が多いでしょう。しかし、保育士や検診時に伝えられる場合は、「発達障害です!」ではなく、「疑い」として告げられるます。

診断を下すのは専門の医師しか出来ないので、保育士や検診時に告げられた時点で保護者が動かなければ、その子の障害は知られないままとなります。この時点で親の心情としては「何言っているの!?」「うちの子が障害なわけないでしょ!」という気持ちです。伝える側も親の心情を理解しているので、告げるのはかなり勇気のいる事なのです。

それでも、発達障害だと告げる理由とは!?

自閉症スペクトラムや、注意欠陥多動性障害(ADHD)というのは、幼児期、特に3歳前後から目立ってきます。この年齢は保育園に通ったり、ちょうど「○歳児検診」などが実施される時期です。

発達障害を告げる側としては「親が受け入れないかもしれないから、言いたくない」というのが正直な気持ちです。伝える事によって、その保育士と二度と口をきかなくなったという保護者も実際にいるくらいです。それでも伝えるのは、発達障害というのは「早期発見・早期治療」が重要だからです。

保育士や検診を行う医師は、その子の未来を見据えて伝えます。なので、もし保育士や検診時に告げられても一呼吸おいて冷静になりましょう。決して意地悪で告げている訳ではありません。お母さん一人で頭を抱えるのではなく、お父さんにも相談し家族みんなで向き合いましょう。

発達障害を告げられた子は、本当に発達障害なのか

保育士や検診を行う医師は、発達障害の「疑い」を告げます。その後、病院を受診する事で、専門の医師が発達障害なのか否かを判断します。もちろん、受診をして「発達障害ではない」「年齢的に幼いだけ」という判断をする医師も実際にはいますが、発達障害の「疑い」がある子はほとんどが何かしらの発達障害だと診断されます。それは発達障害の特性が、集団の中で見えてくる事が多いからです。

保育園は同年齢の子が集団で過ごします。保育士はその年齢の発達段階を把握しており、発達障害の「疑い」がある子が、年齢に応じた発達ではないという事がよく見えてきます。

我が子の発達障害を受け入れられない親が述べる理由として、「家では普通」「家ではお利口さん」「家では話を聞く」がとても多いです。家庭では同年齢の子と比べる事が出来ないので、発達障害の特性を見抜く事が難しいのです。

集団の中の一人として見ている保育士の判断は、ほぼ確実なのです。親としては、「受診して何もなければOK」「もし発達障害だったら、早期に対応を考えよう」という考え方が出来れば良いでしょう。

発達障害という事実を受け入れた後はどうするのか

我が子が発達障害だと告げられて良い思いをする親はどこにもいません。しかし、受け入れなければ一番苦しむのは子どもです。発達障害を受け入れなければ、その子は常に集団で行動する事を求められます。

アメリカの「自由」な発想や教育とは違い、日本では同年齢で同じ行動をするように求められます。小学校や中学校が良い例です。全員で同じ勉強をし、個人の評価はテストの点数で付けられる。この「当たり前」の制度は発達障害を抱える子どもからすると、かなりの重労働なのです。

発達障害を受け入れれば、保育園ではその子に対して「加配の保育士」を付ける事ができます。小学校や中学校では「支援学級」に措置する事もできます。聞こえはあまり良くありませんが、発達障害を抱える子どもにとって、加配の保育士や、支援学級というのは重要な「逃げ場」となるのです。

障害の重度によっては、指定の教科のみ支援学級に通級し、他教科は通常のクラスで学ぶ事も可能なので、「健常児」と「障害児」という極端な振り分けはされません。近年は社会全体で発達障害に対しての理解も深まっているのです。

まとめ

我が子が発達障害だと告げられて、悩んでいるお父さんやお母さんは実際に多い事でしょう。受け入れたくない、受け入れられない気持ちはとてもよく分かります。発達障害は残念な事に「完治」する事はないと言われていますが、早期発見、早期対応を行えば、ゆっくりながら社会性はしっかりと身につくと言われています。

しかし、発達障害を受け入れずいつまでも集団の中で生活をしていると、いつの日か馴染めずに息苦しくなる時がきます。社会に出れば適応できず怒られてばかり、これでは「自己肯定感」が失われてしまいます。

今や10人に1人の割合で発達障害を抱えている人が言われています。「病気」や「障害」と捉えすぎず、一つの「個性」として考え、その個性を伸ばすためにもまずは「受け入れる」という事が大切になってくるのです。