私はとある私立認可園で主任を勤めています。保育士は責任重大なお仕事で、一日一日を淡々と過ごす仕事ではありません。
4月、子ども達、そしてその保護者との「信頼関係作り」から始まり、3月には次年度クラスへの「引き継ぎ」(一人ひとりが発達に見合った成長に繋がるように、次年度の担任へ、一年間の様子や課題を伝達します)までをしっかり行わなければなりません。
今の文章を読めば大体の保育士さんは、その責任の重さを理解出来ると思います。
私が今まで現場で働いている中で、何らかの事情で、年度途中で「退職」や「休職」した保育士さんは何人も見てきました。しかし、年度途中での「転職を理由とした退職」は見た事はありません。
年度途中でも退職&転職できます
「転職したい保育士です。年度途中で転職できますか?」の答えとしては、「イエス」です。
職場を変える、辞めるは個人の自由なので、各園の雇用契約にもよると思いますが、一概に「ダメ」とは言えないと思います。
辞めると聞いた多くの保育士は嫌な気持ちになる
ですが、「他の職場に移りたいので、辞めたいです」なんて私の前で言われたら、、、
私はきっと・・・
ブチギレます(笑)
すみません。前置きと、私情話が長くなりましたね(笑) でも大体の保育士さんは、ブチギレると思いますが、ちゃんと順を追って、説明しますね。
「年度途中で辞める」には、デメリットが多すぎる!!
先にも話したように、保育士は「責任重大なお仕事」です。
たぶん、その「責任」というプレッシャーに押されて「辞めたい」「転職したい」と考える人が多いかと思います。
(前置きでは、ブチギレてましたけど、責任というプレッシャーに負けそうという気持ちは、私にも分かります)
では、ここからは多すぎるデメリットを一つずつ紹介します。
デメリット1:子ども達が困る
一番はそこですね。私達保育士は、大切な子ども達を預り、一人ひとりの成長を助長していかなければなりません。せっかく信頼関係を築いたはずの担任が急にいなくなると、子ども達でもショックは大きいし、環境が変わる事で気持ちも落ち着かなくなります。
デメリット2:後任する保育士の負担が大きすぎる
年度途中で担任が急に辞めてしまうと、当然、代わりの保育士をそのクラスに配置しなければなりません。後任した保育士もプロなので、日々の保育をこなしていく事に問題はないでしょう。
しかし、保育士の業務は日々の保育だけではありません。膨大な「書類」もあります。
急に任された保育士は、今までの子ども達の細かい様子などは知りません。そんな中、子どもの様子をまとめる書類作りは地獄のような物です。(このような書類作りは、普通に担任が行ってもしんどい物です)
デメリット3:保護者の対応が難しくなる
ここが肝になります。急に辞めた保育士は、子どもだけではなく、その保護者とも「信頼関係」を築いていたはずです。それが急に居なくなり、後任の保育士さんは一から「信頼関係」を築いていかなければなりません。
担任が病気や、産休などに入り、担任を代行するという理由なら入りやすいと思いますが、相手は「転職を考えて辞めた保育士」です。なぜ担任が年度途中で変わるのか、どう説明したら良いのか難しくなります。それを説明する園長や、他の職員も頭を抱えますよね!
下手に「転職する事になったので・・・」なんて軽々しく言ってしまうと、保護者の中には
「ここの保育園、大丈夫!?」
「人間関係が良くないんじゃない!?」
「仕事のさせ過ぎじゃない!?」
などと、悪いように捉えられてしまいます。園のイメージや、職員全体のイメージが一気に悪くなりますね。また、保護者に受け入れてもらうまでに時間の掛かる、後任した保育士さんはもっと辛いかと思います。
自分自身にマイナスなイメージがつく
これは勿論です。上手く辞められたとしても、転職先の面接で「何で途中で辞めたんですか?」と聞かれてどう答えるのか!?面接する人によっては、「どうせまた途中で辞めるんじゃね!?」というマイナスなイメージを持たれる事が多くなり「転職」事態が難しくなるでしょう。
じゃあ、「年度途中で転職」にはメリットは無いの?
大分デメリットの話をさせて頂いたので、少しは私のブチギレる気持ち、分かって頂いたでしょうか?(笑) 「転職」を考える理由は人それぞれだと思いますが、年度途中で転職するメリットは、「自分自身がスッキリする!」という点だけではないでしょうか!?
うつ病など体調を崩すようなら仕方ない
保育士は精神的にもかなり負担の掛かる仕事なので、「我慢」ばかりして、うつ病になったり、体調を崩してはいけませんからね!そうならない為の転職なら、百歩譲って飲み込めます(笑)
▼年度途中の転職はマジで転職サイトの力が必要!ひとりじゃいろいろ不安だから
⇒ 保育士バンクのコンサルタントに相談するのが安心
まとめ
年度途中で「産休」や病気などの理由で「休職」「退職」というパターンは見てきました。病気で退職するくらいの人は、すぐに「転職」なんて思い付かないでしょうからね(笑)
おそらく、年度途中で転職したいという感情が芽生える時は、「人間関係」や「仕事へのプレッシャー」が殆どだと思います。そのような悩みを抱えた時に、職場の誰かに、もしくは園長や主任に相談が出来れば解決策も見つかるかもしれません。
「転職」ではなく、気持ちが安らぐまでの間、「休職」という形をとったり、「半日出勤」など、勤務時間を調整してもらう、いくらでも方法はあると思います。
でも、どうしても「もう転職したい」「もう転職するしかないの!」と言うのであれば、デメリットが多すぎる分、退職を申し出る際は、慎重に言葉を選ぶ必要があると思います。