やっぱり公立保育園で働きたい!
と願う保育士は多いことでしょう。ここでは、公立保育園で働く前に知っておきたい情報を集約してみました。公立保育園の給料や手取り、採用試験情報から難易度といった基本情報から、公立保育園は厳しい?保育士の質は?といったプラスアルファの情報もまとめています。
公立保育園に転職を考えている保育士のお役に立てれば嬉しいです。
- 私立保育園と公立保育園の違い
- 給料の差はあるの!?
- 公立保育士のデメリット
- 公立保育園の保育士の質
- 公立よりも私立のが働きやすいという意見あり
- 公立保育士になるには?
- 採用試験には「受験資格」が存在する
- 採用試験の内容は
- まとめ
私立保育園と公立保育園の違い
まずは、私立の保育園と公立の保育園の違いを説明します。1日の仕事内容に関しては、私立も公立もほとんど変わらず、受け入れ、活動、食事、午睡、おやつ、午後の活動、降園といった流れです。
私立の保育園の主なサービス
私立の保育園はニーズに合わせて様々なサービスを行い、それを売りにしている部分もあります。「延長保育」「夜間保育」「一時保育」「休日保育」などが主なサービスで、公立保育園に関しては、「延長保育」くらいしか行っている園はありません。
公立保育園の働きやすい理由
このようなサービスを取り入れている私立の保育園は勤務時間が長かったり、日曜日にも出勤という面が出てきます。そういった面では公立保育園は勤務時間、休日もはっきりとしているので、働きやすく人気となっているのです。
給料の差はあるの!?
人気の公立保育園と、私立保育園では給料も手取も差はほとんどありません。それなのに、公立保育園が人気なのは、ほぼ毎年昇給するというメリットがあるからなのです。
公務員は約束された昇給制度がある
公立保育園は地方自治体が運営しており、正規での採用となると「公務員」として働く事となります。公務員の給料は民間の給料と大きく差が開かないように設定されており、保育士も例外ではありません。ですが、公務員は約束された昇給制度があり、勤続年数が続くほど給料は高くなります。
私立の保育園は昇給の保証はない
一方、私立の保育園では、給料も園によって様々ですが、毎年昇給するという保証はありません。しかし、私立保育園は個人の能力や経験によって、公立保育園で働く保育士よりも給料が高いというケースも存在します。
公立保育士のデメリット
私立に比べてメリットの多い公立保育士ですが、デメリットは異動と厳しいという点です。
数年単位の異動
転勤というよりも「人事異動」という形で、雇用されている自治体に存在する保育園や、児童福祉施設に数年単位で異動するというケースがあります。
人事異動のケース
公立保育園は3~4年おきに確実に異動があります。自宅から遠く離れた保育園に異動になることも多いので、通勤が大変になるということもしばしば。その他、「保育士として保育園では働きたいのに、児童福祉施設で働く事になった」「受け持った児童を卒園まで見届けたいのに、他の保育園で働く事になった」と悩む保育士も多いです。
公立保育園は厳しい?!
公立保育園の保育士は私立保育園と比べて厳しいと感じる保育士が多いようです。理由は、しっかりと研修を受けてきているのでしっかりしているということもありますし、公務員を選ぶ人なのでそもそも真面目という人もいます。
公務員ということで、なかなか辞めない怖いお局保育士がいるということも考えられます。私立保育園の方が雰囲気が和気あいあいとしているというのは、多くの保育士の印象でしょう。
そのため、給料や退職金は安定しているけど、厳しくて耐えられないと公立から私立に転職する保育士もいます。
公立保育園の保育士の質
公立保育園の保育士の質は、働く保育士から見ても保護者から見ても低下傾向に見えてしまうかもしれません。
というのも、公立保育士は公務員なのでなかなか辞めません。手を抜いても抜かなくても年功序列で昇給があり、ボーナスが加算されていきます。保育士にもよりますが、積極的に新しいことに挑戦したりということは少ないからです。
また、私立保育園が増えていて、少人数制で専門教育に力を入れた丁寧な保育が代打してきているのも関係があります。私立保育園の丁寧な保育と比較してしまうと、どうしても公立保育園の保育士の質は低下しているように感じてしまうのです。
ただ、公立保育園の保育士が手を抜いているというわけでは決してありません。公立保育園の保育士は、家庭のようにおばあちゃんちで過ごすかのように昔ながらの保育をしているまでです。時代の変化で保育環境も変わってきたということでしょう。
公立よりも私立のが働きやすいという意見あり
確かに、公立保育園には私立保育園にはない給料の安定感がありますが、時代は代わり私立保育園の方が働きやすいと感じている保育士はたくさんいます。事実、公立から私立に転職する保育士も珍しくありません。
公立保育園並みの安定した給料がもらえる保育園
公立保育園の代打として人気急上昇中なのが、企業運営の保育園。企業保育園は、運営基盤がしっかりしているので効率重視で経営を考えています。ただし、保育の質は高いまま、利益をしっかり保育士に還元しているのです。つまり、公立保育園並み、それ以上の給料と手取りが支払われています。
公立保育園は魅力的だけど、異動や厳しさから自分には向いていないかもと感じている人は、企業運営保育園という選択肢もありですよ。
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公立保育士になるには?
では、ここからが本題です。転勤というデメリットはありますが、私立に比べてメリットの多い公立保育士。なれるものならみんながなりたいと思っていますが、公立保育士は難易度がとても高いのです。
公立保育園の募集は毎年ない
それは、「採用試験に合格する」「採用人数がとても少ない」という壁です。公務員として働くので、もちろん採用試験に合格する必要があります。
問題は「採用人数の少なさ」です。求人誌を見ていると、保育園の求人は山程ありますが、公立の保育園は毎年保育士を募集している訳ではありません。
採用試験の難易度/h4>
その自治体に退職者や欠員が出た場合にのみ募集がかけられるので、何年も保育士募集が行われない自治体も存在します。
又、募集が行われても人気があるので、倍率が数十倍にもなるという自治体もあります。人気の公立保育士は狭き門なのです。
採用試験には「受験資格」が存在する
公立保育士は狭き門ですが、チャンスが来た時に、ぜひそのチャンスを掴み取りたいです。しかし、そのチャンスを誰でも掴み取れるという訳ではなく、採用試験には受験資格が存在します。
統一された規定
統一された規定では、「保育士資格を持っている人、または採用が次年度の4月からとなりますので、それまでに資格を取得する見込みのある人」と、明記されています。公立保育士を目指す方に関して、「資格取得」という条件は問題ないでしょう。
「年齢制限」
しかし、一番厄介なのは「年齢制限」です。地方自治体によって募集年齢は異なりますが、大体が「35歳まで」という規定となっています。
公立保育士を目指そうと思い、この記事を読んでいて35歳以上の方は受験が出来ないという事になります。何だかスミマセン。。。その他にも「その自治体に住んでいる人」という規定も存在するので、注意が必要です。
採用試験の内容は
人気の公立保育士は、募集がいつ行われるか不透明な上に、様々な条件をクリアしなければ採用試験を受けられないという過酷な道です。その採用試験の内容は、一次試験と二次試験で構成されており、一次試験を合格しなければ、二次試験を受けられないという流れです。
一次試験の内容
一次試験には、高校卒業レベルの問題で、国語、数学、英語、理科、社会の5科目に加え、現代文、物理、化学、政治経済などの幅広い知識が試される「教養試験」と、保育士としての知識が試される「専門試験」が行われます。
専門試験の対策
教養試験はともかく、専門試験の対策としては、今までの保育士試験の過去問を利用し、問題の傾向を知ると良いでしょう。過去問題集などは市販されており、解答についての解説も付いているので、しっかりと対策を練りましょう。
一次試験に合格すると、合格発表から約1ヶ月後に二次試験が行われます。
二次試験の内容
二次試験は「実技試験」で、「ピアノかギターで課題曲の弾き歌いを行う音楽」「鉛筆、色鉛筆を使用し、園児と保育士の絵を描く絵画」「園児に聞かせるように、童話などの素話を行う」という内容で、この中から2つを選択して行います。「ピアノが苦手・・・」と悩む人でも、「絵画」と「言葉」を選んで試験に臨めるので、諦める必要はありません。課題曲や、絵画の課題は毎年4月には発表されています。
まとめ
公立保育士が人気の理由としては、私立に比べて働く時間帯や休日がハッキリしている、毎年昇給が約束されている、という点が挙げられます。
公立保育士になるためには、教養や専門知識が必要な「一次試験」を合格した後に、3分野の中から2分野を選択して行う「二次試験」に合格する必要があります。公立保育士になるための最大の壁は、毎年募集が行われる訳ではない、倍率が高い、年齢制限などの様々な規定がある、という事です。
私立の保育園で働きながら公立保育士を目指すという方もいます。ぜひ、人気の公立保育士を目指してみてはいかがでしょうか!?